クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす
じっと見つめていた割には楽観的な返答がかえってきて、アンナは肩を落とした。もしかしたら、風来の貴公子のことについてなにかわかるかも、なんて期待していた自分が馬鹿みたいに思えてきた。しかし、ルーペを覗き込んだその瞬間、アンナは見逃さなかった。彼が一瞬目を見開いたのを。
「本当にそうなの? こんな商標見たことがないわ。ねぇ、この髪飾り、王都のどこで買ったの?」
それでも食い下がると、ボブロは自分のルーペをポケットにしまい、ふるふると首を振った。
「まぁ、店が多いぶん商標もたくさんあるもんだ。無音さんも同じ店で指輪を買ったんじゃないか? どこの店で髪飾りを買ったかは忘れちまったなぁ」
そう言ってかりかりと頬を指で掻いた。
その仕草にボブロは嘘をついているとわかった。彼は、誤魔化そうとすると頬を指で掻く癖がある。けれど、仕事から帰ってきてあれこれしつこく尋ねるのも気が引ける。
(また日を改めて今日のところは諦めよう)
そう思ってアンナは髪をそれで留めると小さくため息をついた。すると。
「本当にそうなの? こんな商標見たことがないわ。ねぇ、この髪飾り、王都のどこで買ったの?」
それでも食い下がると、ボブロは自分のルーペをポケットにしまい、ふるふると首を振った。
「まぁ、店が多いぶん商標もたくさんあるもんだ。無音さんも同じ店で指輪を買ったんじゃないか? どこの店で髪飾りを買ったかは忘れちまったなぁ」
そう言ってかりかりと頬を指で掻いた。
その仕草にボブロは嘘をついているとわかった。彼は、誤魔化そうとすると頬を指で掻く癖がある。けれど、仕事から帰ってきてあれこれしつこく尋ねるのも気が引ける。
(また日を改めて今日のところは諦めよう)
そう思ってアンナは髪をそれで留めると小さくため息をついた。すると。