クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす
※ ※ ※

「あなた、本当によく食べるわね」

今日も仕事が終わり片付けを終えると、アンナはその合間を見計らったかのように現れたリデルに夕食を出していた。

調理場にはアンナしかいない。夕食の残りである鶏のささみを茹でてリデルにやると、彼女は空腹だったのかあっという間にペロッと平らげてしまった。

あと少しすれば今夜もいつものように迎えの兵士がここへ来る。アンナを安全にジークの部屋まで送り届けるための兵士だ。ウィルとマーヤは迎えが来るまで一緒に待つと言ってくれたが、アンナはふたりに「すぐにお迎えも来るし、大丈夫です」と、早く帰って休むように促した。

(ウィルさんもマーヤさんもなんだか疲れていたみたいだし、つき合わせるわけにはいかないもの)

そして、アンナの笑顔にふたりは後ろ髪を引かれながら、ウィルとマーヤは渋々調理場を後にしたのだった。

(ジーク様の部屋に帰ったらまた本を読もう。勉強もしっかりやらなきゃ)

尻尾を振るリデルをそっと撫で、そんなふうに思っていると調理場にふたりの兵士が迎えに現れた。
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