クールで一途な国王様は、純真無垢な侍女を秘蜜に愛でたおす
「あんた! なに油を売ってるんだい! 早くここを片付けちまいな!」
奥から中年女性の怒鳴る声がしてウィルの笑顔が固まった。
「おお、怖っ! ありゃ、俺の女房でマーヤっていうんだ。まぁ、根は優しいから持ち場の面倒を見てもらいな」
「は、はい……」
「ここで一番怒らせちゃいけねぇやつだ」
ウィルが小声でぼそっとアンナに囁くと、「早くしな!」ともう一度怒号が飛んできた。
見るとマーヤは山のように積み重ねられた皿洗いに追われていた。忙しなく動いているマーヤの傍に行き、ペコリと頭を下げる。
「あの、マーヤさん、初めましてアンナです。今日からよろしくお願いします」
マーヤもウィル同様にふくよかな体格で、“肝っ玉母さん”という言葉がよく似合う目鼻立ちがくっきりとした五十半ば頃の利発そうな人だった。
「まったく、この忙しいのに。あんた、あの人のお喋りにわざわざ付き合う必要なんかないからね」
きりっと髪を高い位置で団子型に結い、額には汗が滲んでいる。そして手は水仕事の証というように真っ赤に荒れていた。
奥から中年女性の怒鳴る声がしてウィルの笑顔が固まった。
「おお、怖っ! ありゃ、俺の女房でマーヤっていうんだ。まぁ、根は優しいから持ち場の面倒を見てもらいな」
「は、はい……」
「ここで一番怒らせちゃいけねぇやつだ」
ウィルが小声でぼそっとアンナに囁くと、「早くしな!」ともう一度怒号が飛んできた。
見るとマーヤは山のように積み重ねられた皿洗いに追われていた。忙しなく動いているマーヤの傍に行き、ペコリと頭を下げる。
「あの、マーヤさん、初めましてアンナです。今日からよろしくお願いします」
マーヤもウィル同様にふくよかな体格で、“肝っ玉母さん”という言葉がよく似合う目鼻立ちがくっきりとした五十半ば頃の利発そうな人だった。
「まったく、この忙しいのに。あんた、あの人のお喋りにわざわざ付き合う必要なんかないからね」
きりっと髪を高い位置で団子型に結い、額には汗が滲んでいる。そして手は水仕事の証というように真っ赤に荒れていた。