再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
「ごっ…ゴホゴホ!寒いからかな、喉が痛くなってきちゃった」


わざとらしかったかな。


意識を逸らそうと大袈裟にむせてみせる。


「風邪ひくなよなぁ」


涼真くんは自分のジャケットを脱ぎかけてくれようとする。


そ、そんなつもりはなかったの!


「大丈夫だよ!涼真くんが風邪ひいたら大変だし」


「俺は平気。着てろよ」


上着をかけられ、ほわっとした暖かさに包まれる。


涼真くんのジャケットだぁ…。


「あったかい…ありがと」


「室内の乗り物にすればよかったな」


「ううん、楽しいからいい」


「俺も」


ジャケットの上から肩を抱かれ、ドキドキが増していく。


涼真くんのこと…好きになってもいいの?


もう…引き返せないよ?


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