再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
「えーっ、転校生?変な時期に来るんだねー。前の学校で何か問題でも起こした?」


ほんっと失礼だよね…どうしてそういう発想になるの?


「起こしてないから!ここへは親の転勤で来たの」


「あははは」


なにがおかしいの?


笑ってるし…。


「さっそく涼真に取りいってるの?イケメンだもんねー」


「そんなんじゃないよ」


「残念でしたー。涼真はね」


「紗良、うるさいからちょっと黙ってろよ」


涼真くんが怒った?


不愉快そうな表情で、紗良ちゃんの腕を強引に引き剥がした。


「この子…幼なじみ。10年ぶりに再会したからさ、せっかくだしもっと余韻を楽しみたいわけ。邪魔するなよ」


余韻を楽しみたい?


涼真くん、そんな風に思ってたんだ。





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