Lonely Heart

「もう暗くなってきたけどレディー達は帰り大丈夫なん?」

たわいもない話で盛り上がる私たちの会話をミヤモが一旦中断させた。

「ほなみは終電にさえ間に合えば全然いけるー!」

「まよも瑠奈と家近いし、瑠奈に合わせる!」

みんなの目線が私に集まる。

「えっと...私も全然何時でもおっけい...かな」

私の母は、私に興味がないくせに門限だけは厳しかった。
というより、家事をやらせるために早く帰ってこいって感じ。

まぁでも居ても居なくても一緒だし、せっかくの楽しい時間を終わらせたくなかった。

「よっしゃ!ほんならあそこ行こか!」

ミヤモはいつもよりもテンションを上げて翔也とこうきに問いかける。

「俺らチャリあるし行けるな」

どうやらすっかり慣れた2人も結構乗り気でどこに行くかは伝えられずに店を出た。

ほなみは何も言わずにこうきの自転車の後ろに乗る。

「は?なんでお前が俺の後ろやねん!」

そんなこうきにもお構いなしに"ええやん"と言って笑うほなみ。

そんなやり取りを見ながら翔也がまよに自分の自転車の方をゆび指す。
それに小さくコクんと頷いてまよは後ろの席に跨る。

.........てことは必然的に私はミヤモの後ろ.........

恐る恐るミヤモの顔を覗くとニヤっと不敵な笑みを浮かべている。

「なんやねん。」

そんなミヤモをキッと睨みつけると

「ええからはよ乗れやおデブさん(笑)」

と言って爆笑している。

本当にこいつは何なんだ。

まだ仲良くなりだしたばっかりだと言うのに...

まぁでもこのくらいのほうが関わり安くていいか。

たぶんこいつは女子に嫌われるランキングNO.1だけど。


ムスッとしながら仕方なくミヤモの後ろに座った。

それを合図に男3人は自転車を漕ぎ始めた。

春の夜風は凄く心地がいい...
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