ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~



「ああ。……俺の足さ、完全完治はもうしないんだって。生活に支障がないくらいまでは治るらしいけど。……親父に虐待されてた時ろくに病院行けてなかったから、その時の後遺症が残ってんだって。


バッカだよなー。こんなことになるくらいだったら、早くあんな家抜け出せばよかったな。いつまで経っても帰ってこない母親待ったりしないでさ。あ、これ、翼咲と妖斗には内緒な? あいつら心配性だから」


 目尻を下げて、悲しそうに光輝は言う。


「光輝……」


「兄さんは早く治せよ。……俺みたいに、一生治らないわけじゃないんだからさ」

 俺も治らないよって、思わずそう言いたくなった。


 俺の体が回復しないのも、光輝の足が治らないのも、嘘だと思いたかった。


 嘘だったら、俺達はどんなに穏やかな生活をして生きていけるんだろう。


 そう考えるとどうしようもなく胸が締め付けられて、俺は思わず涙が溢れそうだった。


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