甘いものには毒を
帰宅してすぐに、パソコンを開き今まで用意していた企画を実行へ移すために最後の仕上げのため操作を行う。
何時間か作業をし終わると閉じて息を吐く。いよいよくるバレンタインに胸を躍らせ夕飯を終わらすとすぐに布団へ入り寝ることにした。

翌朝、まだ薄暗い時間に目を覚まし早速用意を始める。
前もって用意していた宝くじの賞金が入った袋を大事そうに持ちある場所へ向かう。
街外れにある人影が少ないその通りにずっと前に潰れたビルの最上階に陣取ったヤクザの事務がある。
そこに用事があり階段を上って行く。
嫌な音羽立ててドアが開いた。中に入ると意外にきっちりとしたジムで一瞬場所を間違えたかと勘ぐる。
「おう、誰だ? そこにいるのは?」
「こんにちは、用事があり来ました」
「誰だと聞いているだろ?」
「私はこういうものです」
ポケットに入れていたくしゃくしゃの名刺を手に相手に渡す。
「梅……」
名刺を見て名前を言おうとしたことに慌てて口に手をやり人差し指を立てる。
そのことに絶句をし怖い表情から間抜けに見えた。
「名前はとりあえず伏せてください。どこに誰が聞き耳を立てているか分からないですからね」
「は?」
「それで用事というのはこいつのことです」
持ってきた紙袋を指差し、胸あたりまで持ち上げる。
怪訝な顔のまま紙袋を受けとるなり、中身を覗き見た。
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