最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
「香澄の兄の東雲拓人です。医師をしています」
兄も急に慧が現れて驚いていたが、スーツの内ポケットから名刺を取り出して差し出す。
「……東雲医院」
慧はじっと受け取った名刺を見つめてそう呟くと、自分も名刺入れを出して兄に名刺を手渡した。
「大変失礼しました。私は彼女とお付き合いさせて頂いている蓮見慧と申します」
その発言に我が耳を疑った。
てっきり私の上司だと言うかと思ったのに、付き合っていると言うなんて……。
ここは会社の近くだ。
知り合いが聞いていたらどうするの?
青くなる私に構わずふたりは会話を進める。
「蓮見不動産……経営企画部の部長さん……もしかして?」
兄が慧と名刺を交互に見ると、慧はゆっくりと頷いた。
「はい、蓮見不動産は父の会社です」
「やっぱりそうですか。妹がお世話になっております」
兄は背筋を正して軽く頭を下げた。
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