最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
狭い空間にふたりだけでいることに気詰まりを覚える。
あ~、早く一階に着かないかな。
腕時計を見ると午後九時過ぎ。
もう送別会は終わってみんな二次会に行っているだろう。
赤石部長は戻って来なかったし、荷物をまとめておいて正解だった。
ずっと黙ったままでいるのに堪えられず、蓮見さんに話しかける。
「日本にはいつ帰国されたんですか?」
「昨日の夕方だ。飛行機が定刻通りに飛ばなくて参ったよ。到着も一時間遅れたし」
彼は見ていたスマホから顔を上げて答えた。
「ただでさえ飛行時間長いのにそれは疲れますよね」
同情するように言えば、ようやくエレベーターが一階に着いた。
蓮見さんに先に降りてもらい、自分も後に続いて降りて、ビルを出たところで彼に声をかける。
「あの……では、お疲れ様で……!?」
お誘いをスルーして挨拶して帰ろうとするも、すかさず彼が私の腕を掴み、もう一方の手を上げてタクシーを止めた。
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