最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
「……大事な跡取り息子ですもんね。あの……飛行機の手配ありがとうございました」
そう言うのが精一杯で、強引に話を終わらせた。
私と慧は結婚前提で付き合っている訳ではない。
彼は御曹司だから、いつかそういう日がくるって覚悟はしていたけど、思っていたより早かった。
何事にも執着しない方だと思っていたけど、彼に関しては例外なのかもしれない。
でも、今日の彼の様子では縁談があるようには感じなかった。
彼は縁談があるのに、私と付き合うような不実な人ではない。
きっと断ったのかも。
そういい方に考えようとするが、不安は消えない。
頭の中がゴチャゴチャ。
「……さん、東雲さん」
水沢さんにトントンと肩を叩かれてハッとする。
「あっ、ごめん。ちょっと考え事してた。何?」
「去年の株主総会の資料のファイルが見当たらないんですけど、知りませんか?」

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