最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
彼女の質問に「あっ」と声を上げる。
「ひょっとしたら資料室かも。年度末に間違えて資料室に持ってったのかもしれない」
後半は独り言のようにブツブツ呟いて席を立つ。
年度末に他の資料を片付けた時、慧が現れてかなり慌ててたんだよね。
……あれから四十日程しか経っていないのか。
もう三ヶ月くらい経ったように感じる。
それだけ彼といる時間が幸せで充実していた。
「ちょっと探して来るね」
水沢さんに向かって笑顔を作ると、鍵を取って、経営企画部の隣にある資料室に行く。
電気をつけて株主総会のファイルを探したら、やはり年度末に片付けた資料のファイルに紛れ込んでいた。
「しっかりしないと」
壁に寄りかかって、コツンと自分の頭を叩く。
恋に動揺して仕事をミスっちゃいけない。
ファイルを胸に抱き締めたまま気持ちを落ち着かせていたら、田辺君がやって来た。
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