最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
蓮見さんが素早く支払いを済ませ、一緒にタクシーを降りる。
「ここ、結構美味しんだ」
彼は私に向かって小さく笑うと、ガラガラッと引き戸を開けて中に入った。
「こんばんは」
クールな声で蓮見さんが挨拶すれば、小料理屋の女将が笑顔で出迎えた。
「あら、蓮見の坊っちゃんいらっしゃい」
「カウンターでいいから、なにか適当に出してくれる?苦手なものは?」
彼は女将にそう頼んで私に目を向ける。
「ピーマンがちょっと」
そう返すと、女将さんが指定した席にふたり並んで腰を下ろした。
まだカウンターでよかったかもしれない。
お座敷とかテーブル席だったら、彼の顔を見なきゃいけないし、落ち着かない。
それでも緊張してしまう。
気を紛らそうとキョロキョロと店内を見回した。
店主が釣り好きなのか、店内には黒鯛や石鯛などの魚拓が飾られている。でも、メニューが見当たらない。
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