最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
彼はホテルのレストランでの食事を考えていたようだが、次の日も仕事があるから家でお祝いをすることにしたのだ。
「全部香澄が食べてもいいよ」
慧がケーキのロウソクに火をつけ、天井の照明を消した。
「全部食べたら太っちゃうよ」
クスッと笑って言い返したその時、周囲が暗くなって、ケーキのロウソクの灯りが煌めいて見えた。
幸せの灯りだ。
こういうのずっと憧れていたんだ。
「香澄、ロウソクの火、消して」
彼の声で、フーッと息を吹きかけロウソクを消す。
二十歳はとっくに過ぎているのに、これは初体験。
いくら息を吹きかけてもなかなか消えないロウソクがあって慧に笑われた。
「ロウソクと格闘する姿が見られるとは思わなかった」
「消すのに慣れてないんです」
少し拗ねながらそう言い訳したら、慧は私をいじり始めた。
「ロウソク消すのに慣れは必要ないんじゃないか?」
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