最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
顔を背けて抗おうとするも、彼に頭をガシッと掴まれて、逃れられなくなった。
どうして私に構うの?
「……お願い。私を……放っておいて……下さい」
懇願するも、蓮見さんは熱のこもった目で告げる。
「香澄の目が言ってるんだ。私を離さないでって」
目頭がじわじわと熱くなって、涙が零れ落ちる。
「……そんなこと……言って……ません!」
すすり泣きながら否定する私に彼は甘い目で微笑んだ。
「嘘つき」
この人にはどうして私の本心が読めるのだろう。
いくら隠してもバレてしまう。
「蓮見……さん」
涙が止まらなかった。
「慧だよ」
そう言って彼は私のメガネを取って再び口づける。
それは、この上なく優しいキスだった。
スーッと胸の霞が晴れていく。
彼は私が落ち着いてくると、頬を伝う涙をペロリと舐めて笑った。
「涙って本当にしょっぱいんだな。初めて知った」
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