最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
「蓮見さん〜!?」
素っ頓狂な声を上げる私。
新部長……しかも社長の息子を不審者と間違えるなんて、何という失態。
その上、蓮見さんを下敷きにしている。
「キャ~、すみません!」
慌てて起き上がって彼から離れた。
だが、その時、ニットのシャツがずれて胸元の傷が露わになる。
傷が見えたのか、一瞬彼は驚いた表情をした。
やだ、見られた!
ギュッと襟元を掴んで傷を隠し、ペコリと頭を下げた。
「……失礼しました」
胸元の傷は、私が小学六年の時に出来たものだ。
公園のベンチに座っていたら、五十くらいのおじさんが突然襲って来た。
胸の傷は、その時に抵抗して出来たもの。
ナイフで傷つけられたのだ。
幸いにも偶然中学生くらいのお兄さん達が通りがかって、私を助けてくれた。
蓮見さんは私の胸元の傷には触れず、立ち上がってパンパンと服のホコリを払った。
< 9 / 243 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop