隠れたがりな君には、明け透けな愛を。ー番外編追加しましたー
長い間思いださないようにしていた記憶が突然頭の中に蘇る。
「………。」
駄目。
何か他の事を考えろ。
他の事他の事他の事他の事他の事。
「おい、西野どうした?」
石川部長に言われて、自分の呼吸が荒くなっていた事に気がついた。
駄目だ駄目だ駄目だ、前みたいに発作なんか起こしちゃ駄目だ。
会社で。それも石川部長の前で。
そう思うのに、思い出しては駄目だと思えば思うほどにお化けのような記憶が蘇っては頭を支配する。
息をするのが苦しい。
空気が薄く感じるのはどうして。
「…ちょっと、お手洗いに行ってきます」
そう言ってガタンと立ちあがるのと同時に、
強い目眩に襲われて体がふらつく。
すると瞬時に石川部長が腰を浮かせ、
ふらついた私の体を支えた。
「い…」
石川部長の手が、私の肩に触れている。
──私の体が、触れられている。
「嫌っ…!!」
自分の意思じゃない。
気がつけばそう反射的に高い金切り声のようなものを上げて石川部長の手を払っていた。