独占欲強めな同期の極甘な求愛
小学校の時、クラスの女子全員から突然無視されるようになって、それ以来人前でメガネをはずさなくなった。メガネをかけることで、人と距離を保てるような気がしたから。
あの出来事がきっかけで、私は女同士の友情を信じられなくなった。どんなに仲良くしていたって、いつ手のひらを返されるかわからない。それなら一人でいいという思いを貫いてきた。だからこの年になってもろくな友達もいないし、会社でもいつも一人。
そのくらいトラウマな出来事で、メガネは私にとって、自分を守るバリアのようなものだった。
「磨けば光りそうなのに、もったいない」
「そんな、私なんて……」
「そう? そんなことないと思うけどなー。それに、自分の努力次第でいくらでも変われるよ。俺だって昔すげーデブで。みんなによくからかわれてたんだ」
「三井さんが?」
今じゃスラっとしていて、無駄なぜい肉もついてなさそうなくらいなのに。
「見る? 昔の俺」
そう言ってスマホを取り出しスクロールし始める。
「ほら、これ昔の俺。高校の時まではすげー太っててさ。よくクラスメイトに馬鹿にされたよ」
差し出されたスマホを見ると、そこには今の三井さんからじゃ想像できない丸々とした青年がいた。