明日こそ、キミに「好き」を届けます。

さっきからずっと、腕をピンと伸ばして背伸びして、疲れたら休んで……の繰り返しが行われるだけだった。


「桜庭 (さくらば) 、私がやるからそのポスター貸してよ」


これ以上見ていられなかった私は、彼の服の裾を掴んで声をかけた。


「いーや、俺がやるし!」


だけど、彼は諦めが悪いらしく、借りていたイスをもとの位置に戻すと、今度は机を借りて私のところへと戻ってきた。


「……そこまでしてすること?」


「篠山 (しのやま) は、背高いからわかんねぇだろ。

今俺が、どれだけ大変な思いしてるか……っ」


言いながら机の上に乗った彼は、先ほどとは打って変わって、楽々と画鋲でポスターを貼りつけていた。

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