セカンド レディー




「だーかーらーっ!」


「いい加減諦めろって」



…んっ。


なんかうるさい。


起きるタイミングは自然と目が覚めた時。それが一番だと言うのに。

今日の目覚めは最悪。



「…うるさい」



布団の中に潜り込み、声が聞こえないようガードする。だけど、言い合っている声はそんなものじゃ防ぎきれなかった。




もう…っ!

重たい体を起こし、寝る前に脱いだTシャツを着る。



「朝からうるさいよ」


幹部室に行くと、既に全員おそろい。



「柚姫ちゃんおはよー。って、もうお昼だけど」


「ぐっすり眠れた?」


「おかげさまでね」


ふぁ〜っとあくびをし、キッチンの方へ足を運ぶ。



「おはよ。ご飯、食べる?」


陽向くんっていつもキッチンにいるよね。ご飯作る担当なんだろうけど、なんかママみたい。


「いらない。やかんかりてもいい?」


「なんか飲むなら作ろっか?って言っても、コーヒーぐらいしかないけど」


「白湯飲みたいから平気だよ」


ココアとかいちごミルクとか甘い飲み物が好き。だけど、朝は別。


味のない、ただの白湯で十分。
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