セカンド レディー
「ごちゃごちゃうるせぇ。ほら、行くぞ」
あたしの腕を掴み、スタスタ歩き出す流牙くん。
「ここ、裏門?」
連れてこられたのは普段は通らない裏門。そこには無数のバイクが止められている。
…なるほどね。
多くの生徒は正門か西門を通る。その理由は、おそらくコレだ。
霜華が使うから一般生徒は通らない。いや、通れないと言うべきか。
この人たちは、本当にこの学校を支配しているんだ。
「こっち」
目の前には大きな黒いバン。
「これ、乗るの?」
「当たり前」
後ろのスライドドアを開けると、半場強引に車に乗せられた。
「よぉ、流牙。えらいべっぴんの姉ちゃん連れてきたじゃねぇか」
運転席には、サングラスをかけた20代前半であろうお兄さんの姿。この人も霜華の人間なんだろうか…。
「こいつ姫」
「ほぉ、噂の新しい姫様かい。俺は武智つーんだ、よろしくな」
歯を見せ、ニッと笑う武智さん。