セカンド レディー
「こんにちは!よろしくね♡」
武智さんの顔を見て、にっこり笑顔で明るく挨拶する。
「…猫かぶりが」
隣でボソッとつぶやく声が聞こえたけれど気にしない。
だってこれがあたしだもの。
「おう!ところでどこに向かえばいいんだい?」
「三丁目の公園の裏のアパートまでお願いします」
ゆっくりと走り出す車。
窓の向こう側で流れている景色をボーッと眺めていると、10分ぐらいで車は止まった。
「ここ…でいいのかい?」
たどり着いた場所に少し戸惑う武智さん。それもそのはず、ここに人が住んでいそうなアパートはないのだから。
「いいの。荷物まとめてくるね」
車を降りると、反対側のドアから車を降りる流牙くん。
…本当に手伝ってくれようとしてるのかな?