セカンド レディー
「階段ボロいから気をつけて」
築50年を超えるボロアパート。
錆びた階段に、外壁にはヒビが入っており、簡単に崩れてしまいそう。
と、言ってもここは来月取り壊されることは決まっているんだけど。
「ここ、本当に人住んでんのかよ?廃墟じゃん。おばけ出るんじゃね?」
…カタッ!
「キャッ!」
「おい」
発せられた言葉に、階段を踏み外したあたしの体は宙を舞って後ろに倒れた。
「お前が気をつけろよ」
突然だったにも関わらず、後ろで軽々受け止める流牙くん。
「…ありがとう」
びっくりしたぁ…。
それに、巻き込んで一緒に落ちなくて良かった。