セカンド レディー
アパートももちろん探した。
だけど、家賃はかかるし親権者の承諾なんて得られるはずない。
保証人のいないあたしが借りられるアパートはなかった。
だからボロいと言えここを貸してくれたことには感謝している。
「荷物、まとまったよ」
着替えと下着。その他諸々は大きめのカバンひとつに余裕を残してまとまった。
「よぉ、早かったな」
車に戻ると、武智さんが笑顔で出迎えてくれた。
それから、ドラッグストアに寄ってもらい簡単に日用品を買い揃え倉庫へ向かった。
*
倉庫に着くと、ガラの悪そうな不良たちが集まっていた。
その中にはあたしとカンケーを持っている男もチラホラ。
「りゅ、流牙さん…、その人って……」
「なんであの女がここに…」
だけど、あたしの事をよく思っていない人も当たり前のようにいる。
あたしとカンケー持ちたいだけの、都合のいい男は利用しやすいから好き。
だけど、こうやって軽蔑する目であたしを睨み、好き放題言う男は嫌い。
勝手に嫉妬して、八つ当たりしてくる男も嫌い。
女を自分より下に見て、偉っそうなことばっか言う男なんか大っ嫌い。
だから…。
隣にいるこの男も、ここの人たちも嫌い。
「こいつ、姫。ここにいないヤツらにも伝えとけ」
テキトーに伝えると、階段をのぼり、昨日も入ったあの部屋のドアを開けた。