セカンド レディー
「部屋どこ?」
「廊下真っ直ぐ行って右側の部屋。荷物片付けるの手伝う?」
「少ないから平気、ありがとう」
にっこり微笑んで、案内された部屋のドアを開ける。
「えっと…」
さっき部屋狭いって言わなかった?
目の前に広がる部屋は8畳ほど。十分すぎる広さの部屋にあたしの思考は一度停止した。
一番目立つのは、黒色のキングサイズのベッド。あたし、ここに一人で寝るの…?
さすがにデカすぎじゃない…?
他にあるものはと言うと、ガラステーブルに2人掛けの黒革ソファ。
あと、大きなクローゼット。
総長室も凄かったけれど、この部屋もなかなか。暴走族っていうのはお金持ちかなんか?
表では正統派とか言っておきながら裏ではなんかしてるよ、これ。
とりあえずクローゼットに服を片付けるけれど、あたしが持っている服の数とクローゼットの大きさが合わない。
いや、見た瞬間に察したけどさ?