犬猫ポリスの恋日常
こういう考え方がダメなんだよね……
自身の未熟さが身に染みる。
「犬山さんの番ですよ!」
ボーっとしているうちに再び千歩の番がやってきた。
結果は依然として変わらない。
むしろ、落ち込んでしまっている分ますます酷い。
「芯がズレてるぞ。集中しろ」
一足先に訓練を終えた秋人が、いつの間にか千歩の背後に立っていた。
分かってるわよ……!
千歩はムスッとした表情を浮かべ、心の中で叫ぶ。
体勢を整え、銃口と的の間に一直線を引く。
引き金を引くと同時に、銃弾は的の真ん中にほど近い場所を貫通した。
射撃訓練を終えた千歩は射撃台から退く。
「やれば出来るじゃないか、ポチ」
秋人は“良い子、良い子”と言わんばかりに千歩の頭を撫でた。
千歩は子どもの頃から、秋人に頭を撫でられるのが大好きだった。
しかし、今は警察官として対等でいられない事が悔しくて、その手をパッと払いのけてしまった。