犬猫ポリスの恋日常
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お盆の季節がやってきて、二人はなんとか数日間の休みをとることに成功した。
お墓参りも兼ねて千歩の実家に二人で顔を出す。
「秋人君、いらっしゃい!NYへ行く前に一緒にご飯を食べて以来かしら。あら、千歩もお帰り」
千歩の母は昔から秋人贔屓だ。
秋人が旦那の勤め先の上司だからとかそんなくだらない理由ではない。
ただ、秋人が大好きなだけ。
こうして久しぶりに帰ってきた娘よりも、秋人の事を歓迎しているのが何よりの証拠。
「おばさんもお変わりなく」
「やだわ。しわも白髪も増えたわよ。秋人君は……ちょっとオシャレになったわね。サングラスなんてかけちゃって。
それに、前よりもっと立派になったよう」
「色々ありましたから……」
玄関で立ち話。
しかも、二人して千歩を放ったらかしで。