恋しくば
これを見ると辻本の少年時代って、きっととても可愛かったのだろうと想像がつく。
大体において、と言いたくなってしまう。
大体において、辻本に近づく女は家柄やバッグなどのブランドを見せびらかせて歩くような連中ばかりだ。正義に反することはせず、人の話はよく聞き親切にし手を差し伸べる辻本は、硬派や一途とは聞こえは良いけれど、悪く言えば来る者拒まず去る者追わず。
頭は良いけれど、恋愛の仕方について残念なところがある。というか、女を見る目がない。あたしに言われたくないだろうけど。
のめり込むというか、彼女になった女の我儘を聞き入れる。