ハイリスク・ハイリターン
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「じゃあ後処理よろしく!」
時刻は21時半。
最後のひとりがそう言って、ご機嫌で颯爽と帰宅していく様(さま)を見届けた。
私を残して去っていく。
それはもうお決まりのパターンで。
いつもそうだった。でも決して嫌じゃなかった。
だって、誰よりも透真といられるから。
「透真、しっかりして」
「んー」
弱いくせに飲み過ぎなんだよ、と。
私が注意をしているのにもかかわらず、新しい缶を手に取る。
――そういえば。
5年以上の付き合いなのに、こんなにも酔った透真を見るのはこれが初めてだった気がする。
いつもきちんと自分のペースを守る透真が、今思えば。