敵国騎士と命懸けの恋
たが、と付け足された言葉。
「脱出ルートは教えられないが、身体が良くなったら散歩くらいは付き合ってやる」
もう少し私のお喋りに付き合ってくれるようだ。なんだかんだ言って、優しい。
「出歩くことをあの国王は許してくれるかしら」
自分の思い通りにならない人間には容赦しないイメージだ。
「一緒に頼んでやる」
「ありがとう」
例え許可を得ても大勢の騎士を引き連れての散歩は息が詰まりそうだ。けれどその言葉は呑み込んだ。
せっかくの颯真の好意を素直に受け入れられないわがままな姫のままでは、ダメだ。
死ぬ前に颯真に出逢えたことは、私へのご褒美なのかもしれない。敵国にも立派な騎士がいる。それを知れただけでも良かった…。
「芝生の上でお昼寝がしたいな。だから晴れた日にお願いします」
「……分かった」
できれば最期も、太陽の下で息絶えたい。
そうお願いしてもいいですか。