敵国騎士と命懸けの恋
手入れの行き届いた広大な庭。
煌紫王国では見たことのない花と、頻繁に姿を見せる小鳥。
窓の外に広がる景色は美しけれどいい加減、見飽きてきた。
話し相手の颯真は基本的に無口で、会話が成立しない退屈な日常。
「おかしいな。私、そう遠くない日に殺されるというのに、この状況を退屈だとさえ思っています」
「そうか」
「でもそれは颯真も同じだよね。私の監視役だから騎士としての任務や訓練に参加できず、病室で明日を迎えるだけだわ」
「…まぁな」
いつものベッドの上で片足を立てて分厚い書物に視線を落とす颯真の答えはやはり肯定で。私のせいで申し訳なくなる。私が生きているせいで、彼の時間を無駄に削ってしまっている。
こんなところに居たら身体が鈍り、同世代の下級騎士に出世を譲ることになるかもしれない。
「あの、颯真さん」
「……」
「早く私が死ねばいいと思う?」
書物から視線を上げた黒い瞳と目が合った。