敵国騎士と命懸けの恋

しかしすぐにまた視線は下される。


「もう弱気になったのか」


「私に付き合っていたら、あなたの時間も無駄になるわ」


騎士とは国王のため、国民のために立派に任務を遂行する者だ。敵国の姫を監視している暇などない。


「こっちもまだ本調子じゃない。少しくらい休んでもいいだろう」


包帯は取れたけれど、まだ痛みがあるのだろうか。それとも建前?


「ありがとう。そうだよね、戦場では生きることを諦めた瞬間に負けるわ」


「姫君が戦場を語るのか」


「私も戦場に行ったことがあるわ。男装して紛れて、この目で血の臭いや命が散る音を聞いた。あの場所に何度も立ち向かう騎士の強さや偉大さをよく知っているわ」


「……」


表情こそ変えないものの颯真は溜息をついた。


「おまえ、本当に姫か」


「たぶん…」


やっぱり私のような姫は珍しいよね。
どうして姉妹たちと同じになれなかったのかな。


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