敵国騎士と命懸けの恋
額に熱を感じる。
習わし?
まるで恋人同士のような行為に、額だけでなく全身が熱くなる。
しばらくして颯真は身体を起こして、私と目を合わせた。
「これは俺の誓いだ」
「……」
上手く頭が回らない。
いつの間にか涙は止まっていた。
「七海、あんたは生きるんだ」
「名前…」
初めて呼んでくれた。覚えてくれていたんだ。
「これからも呼んでいいか」
「もちろんです」
「ああ。病人に少し喋りすぎたな。休め」
「…目を閉じたら、今のことが夢になってしまう気がします」
「そうだな。全部悪い夢だったらいいのにな」
「そういう意味では…」
「いいから、黙って目を閉じろ」
今度は言う通りにする。
颯真は敵だけど、味方でもある。
自分で言ってておかしいけれど、そうなんだから仕方ない。
「おやすみなさい」
「ああ」
悪夢は見ない気がした。