敵国騎士と命懸けの恋
余計なお世話だと颯真に一蹴され、そのまま無言で歩いた。久しぶりに長く歩いたため、話しながらだと息が乱れそうで黙って後を追う。
それでもゆっくり歩いてくれていると分かる。
大通りを抜けた先の広場で祭りは行われていた。
数えきれないくらいの屋台と、食欲をかき立てる匂い。
賑やかな声と、行き交う人の笑顔。
一瞬にして心が躍る。
「ここからはあんたが先に歩け。好きなところに行けばいい」
「はい」
本当は隣りを歩いて欲しいだなんて。
口に出したらあなたは困った顔をするだろうか。あからさまに嫌な顔をされても傷つくので黙っておくけど。
これから先も、街中で、堂々と、
私は颯真と並んで歩くことはできないのだろうね。
「颯真?」
ひとりで苦笑していた私の前方から、大柄な男性が歩み寄ってきた。


