別れても好きなひと
「もう大丈夫だ。怖かったな。」

大悟は強く私を抱きしめながらトントンと落ち着くスピードで背中をさすってくれた。

私の涙が落ち着くと

「今から俺の家に来い。荷物は簡単に詰めたから。」

大悟は部屋をあらかた片付けて私の荷造りをしてくれたらしい。

「大丈夫。ホテルにでも…」
「ふざけんな。無理矢理つれてく。」

昔からそう。大悟は自分のことでは怒らない。今は私のために怒ってくれてる。私は首をたてにふった。
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