別れても好きなひと
次の日。私と大悟は渚のカバーもしながら一日中あわただしくしていた。お互いに昼食をとる時間もなくて死角になっているカラー剤の棚の前で乾杯して栄養ドリンクを飲み気合いをいれあった。

そういう日にかぎってひとりひとりメニューが時間がかかるものばかり。お客様を待たせないようにマッサージをしたり、自分以外のお客様へのサービスも加わっててんてこ舞だった。

「杉崎さん」
「なに?」
「外の電球が切れてるんですけど」
「了解。」
アシスタントからの言葉に今日は厄日と思いながら私は接客の合間に脚立を担いで裏口から表へまわった。
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