一途彼女×S系彼氏
時間にしたら
多分1秒もなかったと思う。


ただ触れるだけの
子供みたいなキス。


でも、今の私にはこれが
精一杯だった。


顔が熱くなるのを何とか抑え、
颯人の顔を見上げた。


「は…やと?」


そこには耳まで真っ赤に染めて
口を開けてポカンとしている
颯人がいた。


初めて見る颯人の反応に
私まで同じように
ポカンとしてしまった。
だってだって
貴重すぎるし、何より…


「かわいい…。」


触れるだけのキスに
こんなに顔を真っ赤にしてくれるなんて。


颯人の熱くなった頬を
両手で包み込んで
目線を合わせると
私は颯人に向かって頬笑んだ。


「…照れた?」


「…っうるせぇ!」


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