一途彼女×S系彼氏
校門を出て向かったのは
私の家とは反対の方向。l


「え、颯人どこ行くの?」


「ん?内緒~。」


穏やかなアイドルモードの颯人。


何度聞いても
教えてくれないから
私は諦めて黙って着いていくことにした。



それから歩くこと数十分。


「…ここは?」


目の前には
首が痛くなるほど
見上げる高さのある大きな家。
3階建ての屋根には煙突が出ていた。


「俺の家だよ?」


ニコッと笑った顔は、
普通の女の子なら
心臓を打ち抜かれてしまうような
キラースマイル。
でも、今の私には
悪魔の微笑みにしか見えなかった。


「じゃ、じゃあ、私はかえ…」
「もちろん寄ってくよね?」


私の言葉を遮るように
自分の言葉を重ねた。


私が言い出す事を
分かっていたかのように…。
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