一途彼女×S系彼氏
「い、いやでも
手土産も何も持ってないし…ね?
ご両親だっているよね?」


ここで引いたら
本当に危ないと思った。
だから、ノコノコおうちに
お邪魔するわけにはいかない。


「今日は誰もいないよ?」


口角を左右対称
綺麗に持ち上げて笑った颯人の
威圧感に私は負けてしまった…。


「お、お邪魔します…。」


中に入ると広い玄関に
上にはシャンデリア。


長く続く廊下に螺旋階段。


どっかのお城に
迷い込んだみたいだった。
もしかして…
いや、もしかしなくても


「颯人の家ってお金持ち?」


だよね絶対。


「どーだろーね。
親父は医者で母親は看護士だけど。」


お医者さんって…。
そりゃ頭良いわけだ。
何か納得しちゃった。
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