一途彼女×S系彼氏
俺は人気のない校舎の
空き教室に莉子と入った。
斗真たちは
違う場所へ行ったらしい。




―――ガチャ


教室に入り
誰にも邪魔はさせないように
鍵をかけた。


「…うぅ、グス…ッ」


何度も涙を拭いながら
泣き続けている莉子。


「莉子?泣きやんで?」


手を伸ばし、
莉子の頬に伝った涙を
拭おうとすると
パシッと止められた。


「ほ、他の女の子に
触った手、で…触らないで…。」


そう来るか。
なら……


「颯人!?」


俺は迷わず莉子を自分の腕の中に収めた。


「触らないでって…!」
「だから手は触ってないよ?」


実際手は触れないように
莉子を抱きしめたから。


「…そんなの、屁理屈…。」
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