一途彼女×S系彼氏
「とんでもございません!!」


近づく颯人から
全力で逃れて何とか距離を保った。


これ以上されたら
本当に起き上がれなくなる…。



気を紛らわすために
私も服や髪を直して
心を落ち着かせた。




「じゃ、行くか。」


数十分して
珍しくSっ気が抜けきった
素の颯人が手を差し出してきたので
指を絡ませて恋人繋ぎをした。


「俺、こうやって莉子と
手繋いで歩くの好き。」


突然甘いセリフを言われ
顔が綻んだ。


いじめようと言ってるわけではなく、
本当にそう思ってくれてるんだと
分かるような優しい笑みだったから。


「私も。
颯人と手繋ぐの落ち着く。」


そう素直に返すと
また優しい笑みを向けてくれた。
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