うそつきペン
1人で待っているのは暇だったから、ちょうどいいところに来てくれた。


「そう言えばさ、昨日シャーペンが壊れちゃったんだよねぇ」


ツグミが残念そうにそう言った。


「え?」


「中学の卒業式の時に配られたシャーペン、大切にしてたのにさぁ」


そう言って口を尖らせている。


あたしに起こった出来事は、今度はツグミに降りかかってしまったらしい。


申し訳なさが胸をよぎる。


でも、それを顔に出さないようにした。
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