うそつきペン
「そうだったんだ、残念だったね。よかったらあたしの分あげようか?」


あたしとツグミは中学から一緒だから、同じシャーペンを持っている。


「え、そんなの悪いよ。記念品だしさ」


「いいのいいの。あたし1度も使ってないんだよ」


「そうなの?」


「うん。高校に入学した時にお気に入りの文具を買ったから、箱に入れっぱなし」


これは嘘じゃなかった。


「でもなぁ……」


記念品ということで迷っているようだ。


「そうだ。今日の放課後家に来ない?」
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