彼女のセカンドライフ

武尊以外の男は皆オシャレして、一人は、村田 文利(あやとし)(二二)、福祉関係の仕事に就いていて、もう一人は、西中惠介(二十)、検体回収の仕事をしていた。みんな社会人だった。

相手側の女性は、年上で、二十代、三十代、四十代と、上手い具合に年齢別に揃い、酸いも甘いも噛み分けた大人、聞けば誰もが知っている一流企業の会社のトップばかり。

自分とは世界がかけ離れていたし、例え人数合わせとは言え、今の自分とではレベルが違い過ぎて、変に身分の差でさえ感じてしまう、まるで情けなさを、恥を晒しているようで、恰好悪くて、真っ直ぐ向き合えない。

劣に見られるのはいつも自分。

分かっているけれど、友人達が自分を誘うのは、自分達が優でいるため。

そう言った彼らのしたたかさや、浅ましさが見えて、それに加えて、今の自分の状況なんかが余計気持ちを卑しくさせていた。

気が重かったのはそんな理由からもあった。 

< 2 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop