彼女のセカンドライフ
「今日の合コンの場にいたんだけど?」今一反応が悪い武尊に、彼女は言った。それでもピンと来ない様子で、
「さっきまで一緒に食事してたでしょ?」さらに彼女は言葉を続けた。
「あ~、僕は人数合わせで来ただけだから」無表情で返した。
武尊にとって、その場に誰がいたか、誰が席を立ったかなんて眼中になかった。
「就活中なの?」彼女は武尊を、上から下まで見た。
「確か名前は~たける……」
「英武尊(はなぶさ たける)」ムスッと答えた。
自分を舐めるように見た彼女の視線が、何となく馬鹿にしているように感じたから。
「はなぶさ? 珍しい名前ね? 私の名前覚えてる?」
武尊の戸惑う様子を見て、彼女はクスッと笑いながら、
「私の名前は蓮見凪美子(はすみなみこ)って言います」武尊を見据える。