先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~
先にベッドで休んでたけど、うとうと眠れないでいたら、30分ほどして航さんが戻ってきた。
ベッドに入って来て私を抱き寄せてくれるから、自分から抱きついた。
「なんだ、起きてたのか」
そう言って腕枕をしてくれて、胸に顔を埋め深呼吸するとお風呂上がりのいい匂いがする。
「檜のいい匂いがする…」
「親父の自慢の風呂だからな。店のカウンター見ただろ?」
「うん。立派な一枚板」
「ここを建て直すときに、檜を1本丸ごと買ったんだ。それで1枚板のカウンターを作って、余った木で店の装飾をして、それでも余った木で風呂も作った。」
私の頭を撫でながら話してくれるから段々瞼が重くなってくる…。
「へぇ…、そんなにたくさんできたら、きっと大きな木だったんだね…」
「ああ、金額もでかかったらしいけどな。子供の頃のことだから俺も知らないが」
「すごいね、お義父さん。お店も素敵だし、お寿司も、美味しいし、航さん、に、似て…カッコい…い…」
「ん?今何て言った?」
「………」
「……ふ、寝たか。おやすみ、花笑」
額に柔らかい感触がして、暖かい胸の中で眠りに落ちていった。