先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~

「それは、違う意味で大事な人だったからじゃないですか?」

「どういうこと?」

「遊びで付き合えないほど身近な存在というか…」

「妹、として?」

「・・・・」

「前に告白した時に言われたの。お前は妹みたいなもんだから恋愛対象として見れない。簡単に付き合うことはできないって」

何も言わずに黙っていると、キッと顔を上げて

「でも、やっぱり好きだわ。航兄さんのこと諦めきれない」

堂々と私に宣言する雅美さん。
胸が苦しくて胸元に手を当てぎゅっと握る。
下を向くとその指にはきらりと光る指輪。胸元にはストールで隠してある〝私は航さんのもの"という証しが。

「…航さんは素敵な人です。きっとあなたの様な人がたくさんいる…。でも、航さんは私を選んでくれた。私達は心から愛し合ってます。…航さんは誰にも渡しません。」

雅美さんににっこり笑って宣言した。
凝視していた雅美さんはふぅーっとため息をつき諦めたように言う。

「そう…、私の入る余地はないのね。…心からは言えないけど…どうぞ、お幸せに…」

「ありがとうございます。雅美さんも。」

「え?」

「雅美さんもきっと幸せになれます。」

「・・・」

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