先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~

にっこりしている私に何か言いたそうにしながらも、そろそろ帰る時間だからと呼ばれ、子どもたちの所に戻った。
航さんと少し話をしてたけど、子供たちの手を引きこちらに会釈して帰っていった。
戻ってきた航さんに聞かれた。

「雅美にいい人見つけたねって言われたぞ。お幸せに、だと。雅美と何話してたんだ?」

「んん~?航さんが凄くモテるって話?」

「なんだそれ?」

「ふふふっ、いいでしょ?ひみつ」

腕に抱き着き不思議そうな顔をする航さんを見上げた。
ちらりと見える〝航さんは私のもの"という証し。
今日はこの証しに勇気をもらえて、ちょっと強くなれた気がした。

商店街に戻るとほとんどの商店が開店していて朝から賑わっていた。
歩くたび昨日来てくれた人やそうでない人にも声を掛けられ、お土産を持たされ気づいたら両手いっぱいの荷物になっていた。

「気前のいい人が多いね。こんなにいっぱいお土産くれて」

「ここは昔から団結力のある商店街でこの町皆が家族みたいな感じなんだ」

「よう!航!うちにも寄ってけよ!」

話しながら歩いてると、魚屋さんの奥から声がかかる。
奥から出てきたのは貴章さん。
貴章さんの家。新鮮なお魚が並んでる。
航さんはちょっと嫌そうな顔をしてたけど、強引に家に上がらせ居間に通された。
そこには1歳くらいの赤ちゃんを抱いた女の人が。

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