先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~

「では、紹介しましょう。我社の将来を担う息子の置田光宏です」

社長に紹介され壇上に上がった置田君。

ホントに社長の息子だったんだぁ。
いつもよりかしこまった様子の置田君にちょっと笑った。

「続いて、わが娘操と橋本不動産のご子息、嘉伸(よしのぶ)くんとの婚約が調い、この場を借りてお披露目したいと思います」

壇上に上がった置田君のお姉さんは黒のビジューの付いたホルタ―ネックにシフォンが何層にもなっているロングドレス。ちらりと見えた後ろ姿は大胆に背中が開いていて、すらりとした姿にすごく似合っていて会場のあちこちからため息が漏れた。
これは西川さんも影をひそめそうな妖艶さ。その隣に立つ婚約者さんも背が高くて凛々しい姿でお似合いだった。

「この結婚を機に橋本不動産と提携して ~~~」

~~~
やっと長い挨拶が終わり、みなさん暫しのご歓談を、ということになった。

日野さんは挨拶回りがあるからとそこで別れ、いそいそと私たちは食事に有り付こうと移動しようとしたら、横のざわざわとした集団が目に入った。
なんとなく気になってそちらに行くと、遠巻きに囲まれた集団の中で山片課長と花笑さんが抱き合っていた。

「わあ、課長達ダイタ~ン」

里佳子が揶揄するように、抱き合う二人はみんなの注目の的だった。

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