先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~
「あ、あのですね・・・ベタな話なんですけど…。
まだ入社したての頃、西川さんに資料室に荷物を持っていくように頼まれまして…
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「あなた、まだ何にも出来ないんだから、この資料、倉庫に片づけてきて。」
そう言われ持たされた分厚い資料10冊。重くて手が痺れて、よろよろと廊下を歩いていたら、
ひょいっと上の9冊を奪われ、その先に日野さんがいまいた。
「女の子がこんな思い荷物持って危なっかしいなあ。男はいっぱいいるんだからそこら辺にいるの捕まえて頼んで?
女の子からの頼まれごとは喜んで引き受けるから。」
そう言って爽やかに笑う日野さんにドっキューン!!と胸が高鳴り、資料室まで一緒に運んで、片付まで手伝ってくれました。
「日野さんありがとうございます!」
「いいのいいの。またなんかあったら遠慮せず言ってね」
頭をポンポンと優しくたたいて笑顔で去っていく日野さんにドキドキッ!
あ、頭ポンポンされた・・・・。
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と、言うことがありまして、
入社当時から素敵な人だなと思っていたけど、まともに話したのはその時が初めてで、優しくて爽やかな笑顔にもうやられました!」
顔を真っ赤にして熱弁してしまって、ちょっと恥ずかしい…。
お酒をぐびぐびっと飲みほした。
「ふふっ日野君やるわね。それは恋しちゃうね」
「そ、そうですよね!恋しちゃいますよね!」
それからも、花笑さんと二人でいろいろ話して夜は更けていく・・・・